2011年4月4日月曜日

ボランティアの需給ギャップを埋める活動

昨日、震災直後から約3週間ほどお手伝いさせていただいた「助け合いジャパン/ボランティア情報ステーション(以下VIS:Volunteer Information Station)」での私の活動が一段落しました。VISは「ボランティアの需給ギャップを埋めること」を目指し、「ボランティアに参加したいと考えている人に対して、正確で分かり易いボランティア情報を、的確にお届けする」ために、現在も活動を続けています。最近になってその活動はいくつかのメディアでも取り上げられ始めていますが、本ブログではプロジェクト参加者の立場から、VISの活動について少しずつご紹介していきたいと思います。

阪神・淡路大震災新潟県中越地震のときもそうでしたが、震災からの復興活動は震災直後に始まるわけではなく、その前に人命救助や仮設住宅の建設、救援物資の配布といった「救援」という段階を踏みます。復興活動は、救援活動がある程度収束し、震災による被害の全体像が把握できた段階から順次始まります。そして通常、救援活動は1~2週間程度で収束します。

  • 震災直後は自衛隊や消防隊、救援活動の専門家を擁するNGO/NPOが主体となり、救援活動が行われる。活動期間は1~2週間程度
  • 救援活動が収束した後に、地元市民や行政、市民ボランティアが主体となり、復興活動が行われる

しかし今回の震災による被害はあまりにも大規模かつ広範囲に及ぶため、震災から3週間以上経った今でもまだ救援活動が行われています。被害の全体像も不明瞭なままです。そしてそのために、ボランティア活動も本格化できていません。新聞やテレビで報道されている震災被害の様子にいたたまれなくなり、「ボランティアに参加したい」という感情が多くの人に芽生えましたが(私もその一人です)、その気持ちに応えられるようなボランティア活動が未だ無いのが現状です。

そうこうしているうちに、「ボランティアに参加したい」という気持ちが薄まってしまうのではないか、本当にボランティアが必要とされたときに、ボランティアに参加したいと考えている人が減ってしまうのではないか、そういう危機感が、VISのリーダー藤代さんにはありました。そしてこの危機感に共鳴した人たちが集まって立ちあがったのがVISの前身である「ボランティア情報まとめプロジェクト」なのです。

藤代さんの考えは(恐らく)次のようなものです。

激甚災害に見舞われた地域の救援活動は長引く(復興活動が始まるまで時間がかかる)。しかしその一方で激甚災害ほどではないが甚大な被害に見舞われた地域も存在し、そこでは早い段階から復興活動が始まる。すなわち、本当にボランティアが必要とされる場所は随時変わる。その変化を的確にボランティア参加希望者にお伝えすることができれば、「ボランティアに参加したい」という想いを切らすことなく、日本全体でボランティア活動を細く長く続けられるのではないか。

従ってVIS発足当初(当時は「ボランティア情報まとめプロジェクト」)は、「地元でできる身近なボランティア」の情報を集め、それらをネット経由でより多くの人たちに、正確かつタイムリーにお届けるすることに全力を傾けていました。

なお、VISの活動については、藤代さんのブログ、藤代さんが中心となって活動しているJCEJのブログ、及び各種ウェブメディアに掲載されている記事も是非ご参照ください。


さて、VISの活動方針「ボランティアの需給ギャップを埋める」は発足以来変わっていませんが、活動内容は状況の変化とともに、ダイナミックに変わっていきました。次回はその辺りについてご紹介したいと思います。